学長ご挨拶

佐久大学のさらなるチャレンジが始まります
~ソーシャルワークとナーシングの融合を目指して~

人間として、生まれる前からそして看取りの時まで続く・・・その人の一生を支えるために必要とされるものは何でしょうか。おそらくすこやかに、他者に迷惑をかけず、生き甲斐を持って過ごしたいということだと考えます。佐久大学は人々の成長と発達に応じた健康的な生活へ貢献できるよう、さらに教育内容の充実をはかります
佐久学園は、1988(昭和63)年に信州短期大学を開設し、2008(平成20)年に佐久大学看護学部を開設、次いで助産師教育、診療看護師(NP)を含む大学院教育を開始し、2021(令和3)年には人間福祉学部を開設しました。「知を求め、徳を髙め、愛に生きよう」という建学の精神を基盤とし、生きること、生活することを支えるための知識やスキル、高い倫理観をもち、たゆまぬ努力と自己研鑽によって、最善のパフォーマンスを提供できる人材の育成を目指します。さらに、やさしい思いやりの心をもって、人生により添えるような実践ができる人材になることを期待しています。
そのための学び方の例として、信州短期大学部福祉学科では子どもと高齢者にかかわることができる人材、特に高齢者ケアでは認知症の理解とケアを学びの中核にしていきます。

人間福祉学部では、主に病院などで相談業務を行う資格を有する精神保健福祉士やメディカルソーシャルワーカーなどの医療系の学びと、まち作り、環境、建築、経営等の企業で働く非医療系の学びを柱にして、看護学部生と共通した基礎知識を学びます。一方、看護学部生は、利用者や家族の生活上の課題に対応するための保健師/助産師を含めた、「ソーシャルワークができるナース」を目指します。きっと、保健医療系と福祉系の職種間の連携を大学時代から体感できるようになるでしょう。
さらに短期大学部介護福祉専攻では, これからの社会で最も必要とされる介護福祉士のリーダーとなりうる人材を養成します。子ども福祉専攻では,保育所の子どものみならず,病児や障がいのある子どもへの支援を視野においた保育士の養成を行います。
また、自然災害が多い日本、予想外の出来事が生起する不確定要素が多い現代です。多様な利用者にとっての最善を生み出すために、努力を惜しまないのが本当のやさしさではないでしょうか。そのために、考え抜く力や利用者の多様性に対応できるような柔軟性を身につけることも大事にしています。
小規模校大学ではありますが、入学されたあなたは、いくつもの学習用モデル、DX器材、臨場感あふれる実習室の設備等が用意されていることに気づき、現場で学ぶ際の戸惑いが払しょくされることでしょう。また、物理的環境だけではなく、学生と教員の距離感が近く相談しやすい関係性が学びの基盤になっていることも本学の学びの特徴といえます。

人々の人生を支えることができる自律的な未来へと続く道を、自然に恵まれた佐久の地で、みなさまと一緒に学ぶ日を楽しみにお待ちしております。

佐久大学 学長 坂江 千寿子

プロフィール

北海道医療大学大学院看護福祉学研究科看護学専攻博士課程修了。青森県立保健大学健康科学部講師、茨城キリスト教大学看護学部准教授・教授を経て、2014年佐久大学看護学部教授就任。看護学部長、看護学研究科長などを経て、2024年4月より現職