カリキュラム

人間福祉学部の教育カリキュラムは、幅広い教養の修得と人間的な成長を目指すための基盤教育課程と、高度な専門教育課程の二つの柱で構成されています。3年次以降の専門教育課程では興味関心や将来の進路をふまえ、福祉臨床教育群、医療福祉教育群、生活環境教育群、マネジメント教育群の4分野から主専攻を選択します。どの分野を専攻しても社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験受験資格の取得が可能です。

科目紹介

人間福祉学を学ぶための教養科目

信州・佐久学

佐久を中心とした信州の豊かな自然環境と風土、そして歴史や文化、産業、環境問題や社会問題、教育問題、地域の抱える課題など多角的な視点から地域特性を理解します。また、山村・農村地域の風習や特有の暮らし方についても理解します。

CBL(Community-Based Learning)実習Ⅰ

学生が地域の社会活動に入り込み、公民館を拠点として住民と相互的な関係性を構築しながら、地域の生活文化・地域のくらしに触れ、住民との継続的交流によって、地域が抱える社会問題や個人の生活経験への関心や意識を高め、多様な価値観を理解する実習です。

CBL(Community-Based Learning)実習Ⅱ

フィールドワークや農村民泊等の体験を通じて、個人の生活体験や価値観を直接見聞きしながら、地域が抱える複雑な社会的課題を再発見します。実習経験をもとに、よりよい地域社会のありかたについて問い続ける姿勢と、実践力を養う実習です。

人間福祉学導入と学問的基礎となる科目

ヒューマンケア概論Ⅰ

ライフサイクルの「依存とケア」の視点から、動物社会との対比を踏まえつつ、人間社会のケアの特徴をまず理解します。また、ケア行為をめぐる受け手と与え手の関係性の構造を検討し、現代社会におけるケア関連専門職の位置づけと役割を考えていく契機とします。

佐久の医療とケアの歴史

佐久地域では、医療機関と住民が協働し、人々の健康を疾病や治療という視点を越えて、健康増進・リハビリテーションなどを含むトータルな保健システムを構築してきました。この科目ではその仕組みや歴史について事例やゲスト講師による講義などから学びます。

社会福祉の歴史

日本の社会福祉の歩みを、社会や生活の変化と関連させて学び、社会福祉の政策・実践・技術・思想を総合的に理解します。また、今日の社会福祉を巡る問題や課題を捉え、社会福祉を前進させる力と援助実践の歴史的な意味や価値を深め、今後の展望を考える科目です。

社会福祉論

現代社会において社会福祉は重要な責務を担っています。しかし社会福祉は様々な分野に分かれており、複雑です。そこでこの科目では「生活問題」を中心に社会福祉が対象とする課題を明らかにし、社会福祉が果たす役割と意味を学びます。

ケアワーク論

ケアという概念が社会においてどのように捉えられてきたのか、また、今日の社会におけるケアを取り巻く諸問題を踏まえて、人間とは、生活とは、その中でのケアとその実践(ケアワーク)とは何かを問い、ヒューマンケアを探求していくための基礎的視点を学びます。

人間福祉学の対象・分野に関する科目

高齢者福祉論Ⅰ

高齢化が進行するなか、高齢者福祉をめぐる議論はより複雑化しています。この科目では高齢者福祉の発展過程を整理して、要となる制度の基本を学びます。また、それらをもとに現代的・将来的課題となるテーマを概観します。

障害の福祉学Ⅰ

障害と障害者の概念と定義、障害者の生活実態と社会情勢、障害者施策の発展過程等を学び、さらに、社会における障害者の生活の支援の枠組み、支援における地域での連携、協働について理解していきます。

児童福祉論Ⅰ

現代社会における児童・家庭福祉の社会的背景、児童・家庭福祉ニーズの把握方法、児童の権利、子どもの貧困、子ども虐待、一人親家庭、家庭内暴力(DV)、子育て支援、児童・家庭福祉の法律とサービス体系、児童・家庭福祉に対する相談支援活動等について学びます。

女性福祉論

社会福祉が女性によって担われることが多く、また担うだけではなく対象者も女性が多くを占めている現状があります。この科目では報道記事などから、社会福祉をジェンダーの視点で再検討し、社会福祉への理解を深めていきます。

貧困の福祉学Ⅰ

現代の貧困は、経済的な貧しさを意味するだけでなく、機会の不平等、標準的な生活スタイルからの逸脱、人間関係の希薄・粗雑化、精神の荒廃や社会的排除など、広く人間生活の「自立」を脅かす現象を指します。この科目では貧困の防止と貧困者の救済の仕組みを学びます。

ヒューマンケア調査論

社会福祉政策・計画を立案するためには、住民の福祉ニーズを的確に把握する社会調査が必要です。この科目では、社会調査の基本的な知識を学び、調査の企画から報告書の作成まで、社会調査の一連のプロセスを学びます。

ヒューマンケア調査実習

ヒューマンケア調査論などの講義で学んだ理論的知識や考え方を、実習として実際に地域の場において体験しながら、プロセスを実地修得します。また、その結果を地域政策や計画の立案などにどのように活かしていくべきかを考えていきます。

ヒューマンケア情報論

近年重視されているヒューマンケアにおけるICT活用の現状を学びます。また、深刻な社会問題となっている情報格差や、情報バリアフリーの考え方などをふまえて、ヒューマンケアにおいてICT等を活用していくための情報スキルや倫理観を学びます。

ソーシャルワーク論Ⅰ

ソーシャルワークが必要とされる社会状況とソーシャルワーカーに求められる役割をふまえて、ミクロ・メゾ・マクロレベルでの実践を学んでいきます。とくに権利擁護や多職種連携など「総合的かつ包括的な支援」に欠かせないキーワードについて学びます。

教育群を構成する科目

〈臨床福祉教育群〉

児童養護論

今日、育児に対する不安や悩みを抱える養育者が増加し、家庭で子どもを養育することが困難なケースが問題となっています。子どもの発達の保障、子どもの権利を守る視点を意識しながら、社会的養護に関する知見を深めていきます。

認知症ケア論Ⅰ

認知症ケアの基本的な考え方であるパーソンセンタードケア(その人を中心としたケア)を基本に、認知症を抱えた人のケアと、その人らしい生活を継続していく支援について学びます。認知症の病気の面ではなく、本人の生活の面に着目して認知症ケアを考えます。

障害学

この科目では、障害者権利条約を中心として、世界の障害者にかかわる政策、実態、運動、最新のデータなどを学ぶことを通し、障害者権利条約が目指す社会に対する各国や日本あるいは地域社会の動向をふまえて今後の展望について考えていきます。

〈医療福祉教育群〉

医療ソーシャルワーク論

保健医療サービスにおいて、生活相談を行う医療ソーシャルワーカーが、利用者の生活の質の向上に貢献できるように、保健医療の専門職やその他関係者・機関とチームを組み、多職種・多機関連携を行っていくことについて学びます。

ターミナルケア論

保健・医療・福祉におけるターミナル(人生の終末期)ケアには多くの課題があります。終末期に関する考え方を、本人、家族、専門職といった立場から考察します。またターミナルケアを行った家族や友人、専門職などへの支援についても学びます。

精神保健学Ⅱ

現代の日本における精神保健に関する様々な個別課題(DV、児童虐待、社会的ひきこもり、いじめなど)への取り組みや、地域における精神保健福祉活動の実践に関する知識を深め、精神保健福祉士の活動内容を学びます。

〈生活環境教育群〉

社会環境ケア論

よい社会環境(居住空間、公共空間、交通施設等)は、人々が住み慣れた地域で暮らし続けるための重要な条件であり、建築や住宅、都市計画の分野でケアを学んだ者が対等に議論、提案することが求められています。社会環境における課題発見や提案の技術を修得します。

生活支援デザイン学

生活を送るうえでデザインによる不自由を感じることがあります。この科目では環境や道具などにおけるデザインによる生活支援のノウハウを生活場面ごとに整理することで、デザインのこつを学びます。

ケアのコミュニティ学

地域住民の助け合いや互助活動もケアに含まれます。ケアが地域住民の中で、どのような形、姿をとって存在し機能しているかを、具体的な事例などを通して学びます。このようなケアとソーシャルケアとの関連性を考察し、コミュニティの中でのケアの発展を考えます。

教育群を構成する科目

〈マネジメント教育群〉

自治体福祉論

福祉政策や福祉サービス提供において地方自治体の役割は重要です。この科目では市町村を中心に地方福祉行政の基本的事項を理解し、地方自治体の首長や職員をゲスト講師として、市町村の福祉行政の実際や住民参加による福祉のまちづくりについて学びます。

病院・施設管理論

国内に数多くある病院・施設にはそれぞれの目的があり、制度によって規定され、その運営は租税や保険料等の公的支出で賄われ、公平で公正なマネジメントが行われる必要がありますこの科目では、病院や施設のヒト・モノ・カネ・情報のマネジメントを学びます。

ソーシャル・ビジネス論

ソーシャル・ビジネスは、社会問題の解決、地域再生といった社会的ミッションを、ビジネス活動を通して達成する手法です。この科目ではソーシャル・ビジネスの概念と有効性、国内外の動向や多様な活動事例を通して、マネジメントや実践技術などを学びます。

学習の総括、まとめに向けた総合、統合、原理科目

ヒューマンケア専門演習Ⅰ/Ⅱ

主体的かつ総合的な学びを深め、四年間の学修の総仕上げとしての卒業課題研究につなげる科目です。文献購読、プレゼンテーション、討論等をゼミごとに設定し、演習形式で専門研究能力を養い基礎的な学術経験積んでいきます。

CBL総合演習・実習

卒業後を意識した学修の総合化、統合化と、卒業課題研究遂行に向けて必要なデータを得る機会としてのフィールドでの実習です。実習の形態や内容、場所、期間や、その準備等も、担当教員の指導の下で、受講者が柔軟に企画することができます。

卒業課題研究

大学における学習の集大成として、個人ごとにテーマを定めた研究を、1年間を通して遂行します。基本的には、学生が自分の研究テーに沿って指導教員を選んで、研究計画を立てて、個別指導を受けながらすすめます。必要に応じてCBL総合演習・実習を活用します。

資格に関する自由科目

ソーシャルワーク演習Ⅴ

ほかのソーシャルワークの知識と技術に係る他の科目との関連性も視野に入れつつ、社会福祉士に求められるソーシャルワークに係る知識と技術を、具体的な事例をもとに演習形式で学んでいきます。

ソーシャルワーク実習

市役所や病院、福祉施設など社会福祉に関するさまざまな実習機関で実習指導者による指導を受けながら、社会福祉士として求められる資質、技能、倫理、自己に求められる課題把握等、総合的に対応できる能力を具体的かつ実践的に学びます。

精神保健ソーシャルワーク演習

精神保健福祉分野におけるソーシャルワーカーとしての専門的援助技術およびリハビリテーション技法の基本的な知識・理論を把握したうえで、事例を基に具体的な支援方法を演習形式で学びます。

精神保健ソーシャルワーク実習

精神保健福祉領域のソーシャルワーカー(精神保健福祉士)としての価値や態度、必要な知識、援助技術等について、精神科病院や地域の障害福祉サービス事業等での実習の体験や実習指導者による指導を通して具体的かつ実践的に学びます。