【新入生の皆さんへ】祝辞|堀内ふき学長よりビデオメッセージ

新入生の皆さん、佐久大学・佐久大学信州短期大学部へのご入学、誠におめでとうございます。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、4月3日に挙行予定の入学式は残念ながら中止となりました。新入生の皆さんへ本学 堀内ふき学長からお祝いのメッセージをお届けします。ぜひご覧ください。

 

令和2年4月3日
佐久大学・佐久大学信州短期大学部

 

 


皆さん、ご入学おめでとうございます。佐久大学学長の堀内でございます。
このたび、コロナウィルスの関係から、このようなビデオメッセージにて、皆さんにご挨拶を送らせていただくことにしました。

寒さ厳しい佐久の地にも、花々の美しい、香り高い季節がやってまいりました。
この度は、佐久大学看護学部第13期生92名、看護学研究科看護学専攻修士課程第9期生5名、別科助産専攻第12期生10名、そして、佐久大学信州短期大学部第33期生30名の入学生を迎えることが出来ました。
皆さん、入学、本当におめでとうございます。
看護学部が始まった平成20年の入学式以来、この度は初めて、看護学部と短期大学部の合同の入学式が行われる予定でした。これは、次年度から始まる新学部、ヒューマンケア学部と一緒に、大学を一体的に進めていきたいという思いに先んじて、合同で行いたいという、今後の大学の在り方を願ってのことでした。
しかしながら、今日私がここにご挨拶していますように、この度の新型コロナウィルス感染症の関係から、入学式を一堂に会して実施することはできなくなってしまいました。
ご家族の皆様、関係者の皆様も、この日を、大変心待ちにしていらした入学式でしょうが、残念なことになってしまいました。
しかし、皆さんは保健・医療・福祉の専門職を目指す学生であることから、この度の一堂に会する入学式を中止した意味をきっと理解してくださるものと思います。
世界中に猛威を振るっております、この新型コロナウィルス感染症は、いまだその治療法や予防法が見つかっていません。このことは、とりもなおさず、私たち自身の、自衛によって感染を防御すると共に、私たちが、媒介者とならないよう、毎日の手洗いや消毒、多くの人々が集まらないような環境づくり、また、そこへの参加をしないこと、そして、換気に努めるなど、自分たちで何とか、この時を乗り越えていく必要があります。どうぞ、このことを理解し、一人一人が、感染予防に努めていってください。
さて、佐久大学は、昭和63年に信州短期大学が開設され、看護学部ができたのが20年後の平成20年、追って翌年には別科助産専攻、平成24年には、看護学研究科看護学専攻修士課程が開設されました。その後も、大学院に特定行為を含むプライマリケア看護コースを新たなコースとして加え、看護の役割拡大などを進めてきました。
文部科学省の助成を受けての私立大学研究ブランディング事業として、足育に関する研究を進めること、国際交流・教育センターの開設による多くの海外からの研修性を受け入れることなどによって、学生たちの視野を広くし、多様な人々や文化に対する理解を深めるなど、様々にチャレンジしてきました。
そして、この3月には、文部科学省へ新しくヒューマンケア学部の開設を申請いたしました。令和3年には、70名の学生が新しくヒューマンケア学部に入学してきてくれるものと思います。
また、信州短期大学部は、この3月末に福祉学科の再編の構想の届け出を行い、同じく令和3年からは、福祉学科の中に介護福祉専攻と子ども福祉専攻が専攻分離され、保育士の養成が始まることになっております。
ヒューマンケア学部は、短大から、あるいは短大の卒業生が社会に出た後に編入してくることができるという、編入生の受入れも、10名と多く受け入れることにしました。短大卒業後、さらに学びたいと思う学生にはその道が開かれることになります。そして、4年後には、ほぼ800名あまりの学生がこのキャンパスに集うことになります。
このような夢と希望に満ちた本学の将来を一緒にイメージしていきたいと思います。
ここに集う皆さんの学びを繋ぐキーワードは「ケア」です。ケアと言いますと、狭い意味では、看護とか介護を意味しますが、本学が目指しているケアは、もう少し広い意味を指します。人々の存在や社会生活にそもそも内在している、相手への配慮、気遣い、思いやりといった「仁愛」を意味していると言ってよいでしょう。
ケアには、人間性が先ず第一に求められます。知識や技術を修得するだけではなく、態度や姿勢を学び、これらをバランスよく身に付けることが必要です。そして、これを身に付けるためには、相手の方からたくさんのことを学ぶ、すなわちケアの心は、相互に学び合う中に生まれるものであることを自覚し、謙虚に、相手の方への尊重の気持ちを持つことが必要です。
今までは知らなかったことを学び、自身が変化し、学びからさらに深い学びへと探求し、自らも深い変化を遂げていくことになります。
相手の方の気持ちに沿って理解しようと努力し、相手の方が心安らかに過ごせるようにするためにはどうしたら良いのかなど、常に自分に問いかけながら考え行動することを心がけてください。
そして、人間性を深めていくためには、勉学だけではなく、様々な体験をしてください。ボランティアや学外活動、サークル活動などにも励み、書に触れたり、友人と語り合うなど、熱い、学生生活を送ってください。

この度の新型コロナウィルスのことでも明らかになりましたように、皆さんの今後は、さらに国際化の進む社会となり、地球規模での自分の立ち位置を見据えることが必要になりましょう。広い視野で、全体を捉える気持ちを持って進んでいってください。

一緒に入学する友人は、互いに専門職へ向かう人たちです。そして、先輩や教職員は、皆さんを信じ、何事につけても支援し、一緒に学んでいってくれる人たちです。
皆さんが、それぞれの目標に向かって日々精進し、人々から信頼される人に成られますことを願い、学長式辞といたします。

 

令和2年4月3日
佐久大学
佐久大学信州短期大学部
学長 堀内ふき